精神的な負担を重くする完璧主義思考
物事を完璧に遂行しようとする傾向が強い性格を完璧主義といいます。
完璧主義の性格は時として自身に精神的ストレスをかけ心の健康を損ねるというネガティブな意味合いで語られる事もあると思います。
確かに、完璧主義思考は精神疲労による仮面うつ症状を引き起こす要因にもなり得ます。
しかし、完璧主義の性格を変えようと意識することはできても、それを実践するとなると…
つい細かい所まで気になってしまったり、まだ改善の余地があるのではないか?と思い悩んだりしてしまいます。
完璧主義は前提として自身へ課している負担が大きいため少しでもマイナス要素が見つかると
そのマイナス要素を大きく捉えがちであり自責の念や自身の能力を低く評価してしまいがちです。
完璧主義の物事の捉え方をテストの点数に例えると…
完璧主義の人は100点を取ることにこだわります。
私も完璧主義の傾向があり、医療系の国家資格を取得する為の専門学生時代は国家試験の模擬試験では全国1位の得点を取り卒業時には成績優秀賞を頂く事が出来ました。
少し自慢話の様になってしまいましたが、テストでは常に100点を目指していました。
そこで気付いた事は…
テストで100点を目指すのと60点を目指すのでは勉強法が異なるという事でした。
60点を目指す場合は教科書の太字で書いてある箇所や先生が指摘した重要箇所をかいつまんで勉強しておけば達成可能であるのに対し100点を目指す勉強法は教科書を目を皿の様にして暗記又は理解しなくてはならない為、100点を目指す努力は60点を目指す努力の…
100点/60点=1.66…倍以上の労力がかかるのではないかと思います。
結果的に、そのテストの得点が95点だったとしましょう。
完璧主義の人はそのマイナス5点分にとてもショックを受けます。
自責の念や自身の能力に対する否定的な評価が心の中に湧き起こってきます。
100点を目指す完璧主義の性格は変えられなくても…
結果が95点だった際、マイナス5点分以上の否定的な評価をしてしまう思考は
精神的な負担を高め仮面うつ症状を引き起こすひとつの要因になるのではないかと感じます。
人より努力をしたのにもかかわらず、少しの失点で自信を失ってしまう思考の枠組みは
必然的に心身の不調を損ねる「考え方の癖」といっても過言ではないと思います。
私自身は完璧を目指す事には良い要素もあると思っています。
貴方が完璧を目指し突き詰めたからこそ人に喜ばれた、役に立てた事を思い出してみて下さい。
仕事の完成度を高め追求することは社会や人々に役に立つことだからです。
大切な事は結果に対し等身大の評価をすること
問題は完璧主義を目指した結果…
人の役に立てた、自身の能力向上につながったところを過小評価せずにしっかり評価して
逆に「至らなかったな」と思ったところを過大評価せず等身大で捉える事が
自身の完璧主義の性格を活かしつつ心身の健康を保つ鍵になるのではないでしょうか?