おもりを背負っている様で身体が重い、座っていることさえも姿勢を保つことがままならない。
今日はできるだけ早く寝よう、そうすれば明日には疲れが取れているに違いない、
しかし倦怠感は改善しない、特に朝が辛い、夕方になると朝より症状がやわらぐ為、治ってきたのかなと感じるが、翌朝には、また強い倦怠感に襲われる。不思議に思い内科を受診し検査を受けるが異常なしとの診断。
ではどうすればいいのか?
八方塞がりな状態であったが、過去にうつ病を経験した同僚が心配そうに「精神的な問題のような気がしますが、心療内科に行かれた方が良いのでは?」と言われた。
「え!?」あまりに想定外のアドバイスを受けるまで、「心」の問題を疑うことはありませんでした。
その後、心療内科で処方された抗うつ薬を服用し、しばらく仕事を休みました。抗うつ薬の効き目は人それぞれとのことで、私の場合は効果が実感で無かった為、毎日ほぼ一日中寝て過ごし、2~3ヵ月後にようやく症状が軽快してきました。
「心」の不調が「体」の不調に隠れて発見が遅れる仮面うつの特徴
仮面うつは倦怠感など「体」の不調の原因を精神的ストレスであると推測することが難しい為、発見が遅れ症状が悪化することも少なくありません。
私の場合も体の異常ではないか?と考え、内科を受診し血液検査等を受けましたが結果は異状無しとの診断でした。
しかし、これだけ強い倦怠感は尋常ではないと感じてはいたので、原因は何なのか?と不安になりました。
過去にうつ病を経験した同僚に精神的な可能性を指摘された際、最初は意外な気がしましたが、よくよく考えてみると、ストレスフルな状況に置かれている事は明白でした。
当時は店舗責任者として売上の低迷やスタッフの管理など精神的にも厳しい状況にさらされて、辛い精神状態であることは自覚していました。
問題は、自身の倦怠感などの「体」の状態と辛い「心」の状態が繋がっていなかった事だと思います。「体」と「心」の問題を繋げることで適切な対処が出来るようになりました。
精神的ストレスを抱えながら更に頑張ることで表面化する仮面うつ症状
仮面うつ症状が表面化する前にも精神的に辛い状態という自覚は確かにはっきりとありましたが、把握していても尚、「気力を振り絞りこの状況を乗り越えよう!」と更に精神的な負担も仕事量も増えていきました。
過去に気力を振り絞り困難を乗り越えた経験や、他人のそういったアドバイスや美談が自分の背中を押してきます。確かに、その方法で上手くいくこともあると思いますが、結果的にこの時の私の頑張りは心身の健康を損ねるという意味での境界線を超えてしまったという事になります。
私も心身の健康を損なうという経験をして、気力を振り絞り困難を乗り越えられそうな問題と、これ以上頑張ることで心身の健康を損なうであろう自身の境界線を意識して、心身の活動のアクセルとブレーキを意識して使い分けるようになりました。
もし貴方が、ふと我に返り強い精神的ストレスに晒されている事を認識し、体の不調を感じているとしたら、ブレーキをかけるべきタイミングなのかもしれません。
仕事を続けながら回復へ至るまでの仮面うつ症状への対処方法
仮面うつ症状に悩まされた際、十分な休養や心療内科への受診などの対処は重要であると考えます。
ただどうしても仕事を休むことが出来ない、または比較的軽度の仮面うつ症状を抱えながら日常生活を続けられている方もいると思います。
完全な対処法とは言えませんが、この場合、仕事の継続と仮面うつへの対処という2つの課題において「両立できる事」と「両立できない事」に分けて考える必要があります。
両立できない事として仕事に費やしている時間だけ休養に充てられる時間は制限されますし、抗うつ薬による眠気などの副作用による活動の制限が挙げられますが、一方、両立できる事としては心療内科の受診やカウンセリングを受ける事や仕事以外の時間をなるべく休養に充てる事などが挙げられます。
なるべく休養の時間を増やす為に、睡眠時間を増やし休日にゆっくり過ごす事は勿論ですが、通勤時に指定席券を購入し休息に近い時間を作る事や夕飯は外食で済ませ休む時間を増やすなどの工夫も有効かもしれません。