仮面うつ

仮面うつとは

仮面うつとは?

「仮面うつ」とはストレスにより、脳の神経伝達物質に異常が生じ、心の不調(うつ状態)に比べ体の不調が目立って現れる状態をいいます。心の不調が体の不調という仮面で隠されていることから仮面うつといわれます。

仕事が忙しく気が張り詰めていると、自身の精神的な体力が枯渇している事に気付けずに無理を続けてしまう事が多々あると思います。精神的な体力が枯渇している状態であれば、普通はある程度、気力の低下を自覚できるはずなのですが、枯渇している精神的な体力に対し、むしろ更に気力を振り絞ろうとする意識の高さとのギャップが、心身の状態把握を困難にしているのではないかと思います。

食欲不振や不眠などの体の不調が感じられたら、現在の環境や心の状態を改めて整理してみる必要があるのではないでしょうか?

仮面うつの症状

  • 【体のだるさ】
    力が抜けた状態や、おもりを背負っている様な感覚で体を動かすのが重く感じるなど
  • 【やる気が出ない】
    簡単な仕事や通勤そのものがつらいなど
  • 【不眠】
    寝付けない、眠りが浅い、途中で起きてしまうなど
  • 【集中力の低下】
    今までは簡単に出来た事でもミスが増える
  • 【興味がわかない】
    趣味など今までは興味があって夢中になっていたことに興味がわかなくなる
  • 【日内変動】
    特に朝方につらさを感じ夕方になると少し症状が緩和する

仮面うつでは、精神的な問題に気が付かず、「単に疲れただけかな?」と体の問題として捉えてしまう事も多い為、少し休んだり、栄養ドリンクを服用しても症状が改善しない為、不思議に思い、病院 (心よりも体の問題に対処する診療科) を受診し異常が見つからないケースもあります。

仮面うつの原因と治療

原因と治療

仮面うつの原因は脳の神経同士の接続に関係している神経伝達物質の異常が原因と言われています。仮面うつの治療は主に3つ挙げられます。

1. 薬物療法

精神科や心療内科を受診し処方される抗うつ薬は神経伝達物質の伝達を改善する効果があると言われています。

2. カウンセリング

しかし、精神的なストレスにより神経伝達物質の働きに異常が生じているとすると、その原因となる精神的ストレスそのものを軽減する必要もあります。

仮面うつになりやすい人の特徴として、完璧主義・責任感が強い・自分に厳しい性格の人などが挙げられます。

仕事や人間関係が上手くいかないのは、必ずしも、自分の能力ではなく環境要因が関係していたり、自分自身に高すぎる目標を課してしまっているのかもしれません。

カウンセリングには、そういった必要以上に自分自身の心に負担をかけてしまう思考に変化をもたらし精神的な負担を軽減し仮面うつの症状を改善していく効果が期待できます。

3. 休養

今まで、無理をして負担がかかっていた心や体を回復させるには十分な休養が必要になります。

過ごし方や仕事との向き合い方

過ごし方や仕事との向き合い方

1.十分な休養

仮面うつ症状が出る状態まで無理をせざるを得なかった心や体を回復させるには、十分な睡眠や休養が大切です。

2.頑張りすぎない

気力を振り絞って頑張ることは、仮面うつの症状をかえって悪化させてしまいます。感情面でも肉体面でも省エネでやり過ごすような過ごし方で生活する事が大切です。

省エネというと普段、頑張り屋の人は手を抜いている様な気がして、抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、そもそも頑張りすぎが原因で仮面うつ症状が出ていたとすれば、省エネで活動したとしても、人並みの頑張りはしているという事になるのかもしれません。

また、仕事などに取り組む際も、あえて熱い情熱や感情をセーブして、淡々と行動することで精神的な活動量を抑え、症状の悪化を抑えることも仮面うつの過ごし方としては、有効といえるでしょう。

3.焦らない

休んでいる自分を責めてしまう思考は、それ自体が自身の心に負担をかけ仮面うつの状態を悪化させてしまう可能性もあります。また、休養に費やした時間を取り戻そうとする考えも、少しづつ回復している状態を逆戻りさせ症状が再発してしまう事もあります。

仮面うつの症状に苦しみ回復へ至った体験談と対処方法