職場の人間関係は、気の合う仲間同士が、好きな時に集まる場面と違い、様々な立場や価値観を持った人達が集まる為、あらゆる場面で人間関係のトラブルが起こりがちです。
自己中心的な人や威圧的な人もいるでしょう。
仮に仕事で大きな成果を挙げていたとしても、皆が喜んでくれるかというと、場合によっては妬まれる事もあるでしょうし、恋愛感情などが絡むと、同僚と親しく接していることで恨みを買う事も起こり得ます。また同じミスを繰り返してしまう同僚に対し、改善の為の注意やアドバイスが正しく行われていたとしても、結果的に反感を買う事は起こり得ます。
また、顧客にとって利益にならない営業方法を強いてくる上司に対し毅然と対応し関係が悪くなる事もあると思います。
この様に、はっきりとした意見や方向性を持ち精力的に物事に取り組むと、その反動が自身を苦しめる様な状況は多々見受けられる為、この様な人間関係における摩擦は精神的ストレスとして心身の健康を損ねる大きな要因になります。
職場の人間関係のトラブルやストレス
どのような弊害にも全力で立ち向かい、自らの理想を貫き通す。私自身、そのような経験があっても良いのではないかと思う人間です。
この様な経験は様々な弊害の中でも自身の理想を遂行する為の方法に磨きをかける過程でもあり、重い精神的なプレッシャーを受けながらも高い理想を追求する為に邁進した経験はストレス耐性や自己肯定感の向上にも繋がっているからです。
しかし、そこから受けるストレスが限度を超えることで、心身の不調が顕著に感じられてきます。
精神的ストレスと心身の健康の関係を、わかりやすく例えるならば、筋力トレーニングを行う際に少し強めの負荷で休養を挟みながら行う事が効果的な反面、強すぎる負荷を何度も繰り返し休みなく行うと筋や靭帯を損傷し思うように力を発揮できない状態に陥る事と同じだと思います。
現在直面している精神的ストレスの負荷が過剰になる手前で、現状に気付き対処することが、ストレス耐性を高めながら心身の健康を保つ為の精神的ストレスとの向き合い方だと思います。
職場の人間関係の悩みが心身の健康を崩す前兆とは
私自身、精神的ストレスによって心身の健康を損ねた経験があることから、経験的に「これ以上の精神的負荷は危険だな」と、その境界線の様なものを少しずつ感じ取れるようになりましたが、そういった経験のない場合や、何度も繰り返し苛まれている場合は、心身の健康を崩す前兆の様なものを感じ取る必要があると思います。
既に体調の悪化を感じている場合は勿論ですが、それより早い段階で、症状の出る前に無意識に行われているストレス発散の行動を自身で把握する事も可能ではないかと考えます。
例えば、以前に比べて飲酒量の増加や食事量の増減等がないか、また買い物で金銭を浪費していたり、怒りっぽくなっている場合は身体症状の出る前兆か、既に身体症状が出始めている可能性があります。
心身の健康を損ねる手前の状態を把握することは非常に難しい事だと思いますが、人間関係という対外的な状況に意識がいきがちな状態において、一旦、自らの心の状態を観察することも重要ではないかと思います。
孤立感やストレスに苛まれ会社や友人にも相談できないとき
では既に身体症状が出ている場合や、その前兆を感じた場合にどの様に対処したら良いのでしょうか。
真面目な人ほど、現在起きている状況に対して真正面から受け止め、真正面から打開しようとしがちであり、そういった対処法が精神的な負担を大きくしているのではないかと思います。
周囲を観察していると物事の良し悪しの評価にある程度の幅を持った「曖昧さ」や問題点に気付いていても気付かないように振る舞う「鈍感さ」を持っている人ほど組織内の人間関係を上手く処理しているように見受けられます。
理想的である「正しい道」を一直線に目指すことに限界を感じたら、「上手くいく道」へいったん迂回し、そこから少しずつ理想へ近づけるように試みていく方法もあるのではないかと、とかく「正しい道」に固執しがちな自身の性格がもたらした結果を考察した末に思い至ったひとつの方法です。
また、自身の悩みを誰かに話すという事は自身の感情を整理し解決の糸口を掴むうえで有効な方法です。職場での悩みは会社の同僚に相談できない状況もある為、利害の関係しない第三者に話すことも有効であると思います。